イタリア買い付け紀行 ジャンネットインタビュー編 -2018年1月版

キャンティクラシコ

今回は、
イタリアのよさを少しでもお伝えする事が出来たら良いなと思い、
フィレンツェから車で1時間くらいのワイナリーに出かけてみました。

今回は、キャンティクラシコのワインを創る老舗のワイナリーを訪問させてもらいました。
キャンティクラシコとは、トスカーナ州のキャンティ地方で創られたワイン。
フィレンツェとシエナの中間にあり、黒い鶏のマークがついているワインになります。

この黒い鶏には理由があるのです。

それは、フィレンツェとシエナがまだ別々の国家だった中世(800年ほど前)、フィレンツェとシエナの境界線を決めるために、それぞれ一番鶏が鳴いたときに騎士がスタートし、出会った地点を境界線としようと決めました。
シエナは白い鶏を、フィレンツェは黒い鶏を選びました。
フィレンツェ側の黒い鶏は、敢えてエサを与えず、おなかが空くように育てました。
その為、朝早く鳴きました。

一方、シエナ側の白い鶏は、通常通り鳴きました。
その為、フィレンツェ側の騎士は、シエナ側より早くスタートし、境界線は、よりシエナの近くになり、キャンティの地方はほとんどはフィレンツェ共和国の支配となったという伝説があるのです。

その為、フィレンツェを勝利を導いた黒い鶏がキャンティクラシコのシンボルとなったのです。


そして、遂にワイナリーに。

ヨーロッパでは、伝統的に各国が決めたワイン法があります。
そして、イタリアではDOC法が制定されており、D.O.C.Gがイタリアワインの格付けでは最高級となります。
そのD.O.C.Gに認定されているワインは、イタリア全国で73種類あり(増えて行っているようです)このキャンティクラシコもその1種類となります。

また、法律というだけあって、製法もかなり細かく決められています。
使うブドウの種類も、サンジョヴェネーゼ80%以上で、最低熟成期間が11ヶ月。
また、キャンティクラシコの中でも、リゼルヴァという格付けになるには、24ヶ月の熟成期間が必要になるのです。
ブドウ畑の場所・日当たりなどでも味が変わるのですが、ワインの奥深さを説明して貰う事が出来ました。

 

ワイナリーにも特徴があり、古い歴史と伝統を守ろうとするワイナリーと現代的な設備を使うワイナリー。
味も同様に、現代のトレンドでブドウを配合し、発酵させるワイナリー。

また逆に、クラシックに伝統の味と製法を守ろうとするワイナリー。

どちらも、行かせてもらったのですが、本当に深い世界だなぁと本当に思いました。
色々と試飲をさせてもらうのですが、昼間からお酒を飲むから、
ものすごい酔っ払ってしまいますし、捨てるのはもったいないしと、がぶがぶのんでヘロヘロになる午後になってしまいました。

個人的には、自然のカーブ(冷暗室)見たいな場所で寝かせたワインがいいなぁと思ったりしました。
自然の洞窟的な石で創られたカーブは、自然に温度も安定するのですが、コンクリートで創ったワイナリーは、気温が変化してしまい、冷房の必要があるのだと言っていました。

日本酒も一緒だとは思うのですが、ワインも、色々と教えてもらって、その場で飲むと、趣がよりまして、ものすごく美味しく感じましたし、味の深みをも感じた瞬間だったのです。

その後レストランで食事をしたのですが、赤ワインで煮込んだリゾットが出て来て、これがものすごくうまかった!
もちろん、ワインも美味しくて、飲み過ぎたことは言うまでもありません……。

 

このワイナリー廻りで感じた事は、
本当に、創り手の話しを直接聞くことができ、その場でワインを味わうと味が深くなると言うか、とにかく美味しく感じました。
そして、愛着がわいて、思わずお土産にワインを買ってしまったのでした。

これって、きっと服でも一緒だなぁと。

僕が実際に、工場まで行き、創り手さんの話しを聞いたり、メーカーさんの想いを聞いたりする事がよくあります。
そこで、愛着も出てきますし、服の良さも感じるのです。

これを、もっと、伝えないとと改めて思わされました。
せっかくイタリアに来たのだから、現地の声を改めて紹介して行こうと思います。

 

 
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