2017年6月 イタリア買い付け紀行 ウルトゥラーレ ULTURALE 編

3.ウルトゥラーレ(ULTURALE) 編

ミラノのモンテナポレオーネ(高級店の集まる地域)にある
ULTURALE ウルトゥラーレのショップにて、さらには、ピッティ会場にて、
会社の代表でもある ウルトゥラーレさんにインタビューをさせて頂きました。

ウルチュラーレさんにネクタイ基本について、語ってもらいました。


イタリアファッションの基本はエレガンテだと思っています。
(エレガンテはイタリア語ですが、英語に訳すとスタイリッシュ)
(日本語に訳すと「粋な」とかになるのでしょうか?)

エレガンテなスタイルには、 ネクタイとチーフは必須になってくるのです。
それは、もう、持って生まれたというか、
子供の頃から、家庭で見てきた、教えられてきた、そんな文化ではないかと思っています。

だから、家柄がいいよね!
という言葉が日本にもあると思いますが、
イタリアでは、
「シャツと一緒に生まれてきたね!」
という言葉で表現されます。

シャツ(カミーチェ)は、イタリアでは紳士に欠かせない1枚ですし、
ネクタイやジャケットなど、ドレススタイルに繋がっていくからです。
もちろん、エレガンテを知るイタリアファッションには、
シャツが欠かす事出来ない事はいうまでもないからなのですが。

そんな、ネクタイやチーフを創る僕達の想いも
日本の皆さんに伝えたいと思います。

まず伝えたいこと、
僕達の創り出すネクタイは

「生きている」

と言う事を忘れないで欲しいのです。

副資材にも、必ず天然素材を使い、
表生地に馴染み、息をするネクタイなのです。
その為、ウルトゥラーレのネクタイは、裏地が少し厚くなっており、
触っただけでわかる。そんな仕上がりになっているのです。

このような息をするネクタイに、自分達が何をしているのか?
という話しをさせて下さい。

まず、
生地は必ずハサミで切ります。
この時点で、
僕達は、ネクタイに命を吹き込むのです。
(動画があるのですが、それは、後ほど、ご紹介しています)
そして、できる限り手で縫うのです。
(動画を見て頂くと理解頂けます)
その為、このようにネクタイのかんぬき留めが
(短い方の先についている太めの留めるところ)
並べてわかるように、一定の位置にないのです。
それは、手で縫うから揃わないのです。
そして、 もう一つ、
スリップステッチと呼ばれる、たるみ糸の長さも一緒と言う事はありえないのです。
この糸がある事で、ネクタイ自体に伸縮性を与えることが出来ます。
こちらも、最近の機械で創ったネクタイには、付いていません。
もしくは、固定されて使えないネクタイが
流通していたりするのですが、それはハンドメイドではありません。
命が吹き込まれていない、ネクタイだと自分は思うのです。
自然の素材を使い、手で1本1本縫ったネクタイは、
無理に縫い込んでいないので、真っ直ぐに伸びる。
つまり、へんな捻れなどが存在しないのです。
自然なシワは、時間の経過と共に、
自然な素材を使ったネクタイなら伸びるはずなのです。
このたるみ糸は、手縫いネクタイの証明。ネクタイの背骨なのです
しっかりと引っ張れば繋がっていることがわかり、
引っ張る事でネクタイがシャキット伸びるのです。
手で縫っている事で、裏生地があるモデルは、しっかりと柄あわせもしています。
繰り返しになりますが、機械で縫ったときに良く起こる、捻れもないのです。
真っ直ぐネクタイを垂らしたときに、捻れてしまったら、それは、ネクタイとして、
ゆがんでいると言う事なのです。

そこまで考えて、イタリアの伝統を守り、
1本1本のネクタイを創り出すそんなブランドがウルチュラーレなのです。

このようにインタビューは終わりました。
最後にウルトゥラーレさんはネクタイの良さを、
しっかりと、日本にも伝えて欲しいと、念押しをされました。

暑いからと言う事もあるのですが、
ネクタイをしない文化になっていることもあるのですが、
紳士(エレガンテ)を語って、ネクタイの良さを伝えましょう!と、インタビューが終わりました。

ただ、クールビズも含め日本人はネクタイをしない人も増えてきてしまったんだよねという話しをさせて頂いたところ、
イタリア人も、実は、暑いからとネクタイしない人が多くなってきた。
そんな話しもあるようでした。

ただ、たとえノータイだったとしても、
ネクタイの代わりに、ジャケットにポケットチーフは入れないとダメだと。
それが着こなしのマナーだよと、教えてもらいました。

エレガンテな男性は、ジャケットにチーフは、欠かさないのです!






最後になりましたが
少しだけミラノ・フィレンツェの街並み写真を紹介させて頂きます。
 
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