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【ファッション対談】フィナモレとイタリアの魅力について語る!株式会社アマン 杉本×オクテット名古屋 林 が語ります~HAYASHI SELECT〜

投稿日: 更新日:

こんにちは、オクテットチャンネルの林です。
今日は株式会社アマンの杉本さんとフィナモレのシャツについてお話させていただこうと思います!

 

 

インポーターの仕事ついて

 杉本さん、よろしくお願いします。

杉本さん(以下杉本)よろしくお願いします。

 やっぱりいつもお世話になってるので……。

杉本 いえいえ、こちらこそありがとうございます。

 杉本さんなんですけどアマンで社歴というかインポーターとして長いですよね?

杉本 そうですね、もう17~18年います。

 うちのチャンネルを見てる人は「インポーターってなんやねん」みたいなことを思っている方とか結構多いと思うんですけれど、杉本さん自身がイタリアに行って買い付けたりとかするんですか?

杉本 僕らの場合は買い付けっていうよりも何かブランドを見つけて、特にイタリアが多いんですけど。ブランドを見つけて契約してどちらかというとファクトリーベース、工場があるようなものづくりの国なのでファクトリーがあるようなブランドと契約することが多くて。メーカーとコミュニケーションを取りながら次のシーズンには何を、どんな商品を製造していくか話しながらものづくりをしている感じですかね。

 なるほど。結構イタリア人とずっとコミュニケーションをしてきました?

杉本 してきました(笑

 イタリア人ってやっぱり大変ですか?日本人と比べると。

杉本 簡単に言うと子供みたいな……(笑
一回言って一回で聞いてもらえたらすごくいいなと思いますけど、なかなか同じことを言っても分かってくれないこともあったりとか……やっぱり我が強いんで。

 そうですよね。

杉本 こっちからのお願いとかもそんな素直に受け入れるって事は……もちろんありますけど本当に大変なことが多いです。

 自分もよくイタリアに行かせてもらったり、工場にいかせてもらったりするのでなんとなく分かるんですけれども。実際どれぐらいの頻度でイタリアに行ってます?

杉本 この2年はコロナ禍なので行けていないんですけど、その前とかは年に2回
シーズンに一回ずつピッティ・ウォモとか展示会が一回ずつあってその間に2回ずつ行っていたので年に6回。

 2ヶ月に一回はイタリア?

杉本 本当にそういう感じです。だから丸々2ヶ月は通算すると日本にいないこともありました。

 そうするとイタリアにいけないの恋しいですよね?

杉本 イタリア人と話すことももちろん楽しいんですけど、やっぱりご飯が美味しいじゃないですか。別にそんなハイクオリティなところ行かなくてもまあ美味しいので。

 間違いないです!本当に美味しい。

杉本 もう昼間すごい疲れても夜結構ほっとする。あれで一回リチャージされます。

 どこで食べても美味いですよね。

杉本 本当に美味しいです。ハズレももちろんあるんですけど、ハズレにあったってあんまないんですよ。

 僕外れがあったの日本食レストランか中華料理屋でハズレはありました。

杉本 そこのハズレは確かにありますね。イタリア料理屋のハズレって本当にないんです。

 どこに行っても美味いし、ワインは水みたいに出てくるし。

杉本 安いですからね。

 水とワインは同じ値段じゃないかっていう(笑

杉本 たぶんコーラの方が高いんじゃないかな(笑

 

ZOOM時代だからこその物作りの苦悩

 やっぱりイタリア人とコミュニケーションしていると、実際に今行けないじゃないですか。やっぱり苦労したりするんですか?

杉本 やっぱりしますね。実際会ってもぶつかることとか理解できないことが多いのでズームだったり電話だけだと誤解も多々生じますし……。

 多々?

杉本 多々生じます。お願いしていることができてなかったりというのは本当に頻繁に発生しますね。この2年間はモノづくりが特に大変でした。

 具体的にモノづくりのどういう部分が?

杉本 特に寸法とかディテール変えるとか。目の前に持っていってここは裏側こうだよとか目の前で説明すれば簡単に済むようなことがズームだとやっぱり平面なのでなかなか説明出来なかったり。

 確かに難しいですよね。ここってどこなんだみたいな(笑

杉本 あと素材感がこういう素材欲しいとかはなかなか難しいですね。

 確かにそうですよね。画面で映る素材感って難しいですよね。

杉本 やっぱり肉厚の感じとか全然違いますし。

 フィッティングとかでも難しそうですよね。

杉本 全然違います……。寸法で示しても実際切ると何か違うって結構あるので。

 僕たちも展示会に行くか行かないか問題っていうのはリアルにあるんですけれど、行って生地を触らないと自信を持ってこれだったらいいよって言い切れないというか……そういうのがあってどうしても生地を触りに行きたいと思いますし。

杉本 やはり間違いないものしか1からアクセルを踏んで発注するとかはなかなか難しいですよね。

 そういうのもズームとか電話だと今までの関係性があっても難しいですか?

杉本 難しかったです本当に。まあ来年……来年というか今年もちょっとね次の夏辺りはどうなのかなっていうふうに思ってますけど、行けたらなとは思ってますけどね。

 

フィナモレのシャツの魅力について

 そんな中フィナモレのシャツのお話をちょっとさせてもらおうかなと思うんですけれども、フィナモレのシャツって言えばTHE・イタリアじゃないですけど、THE・ナポリって感じますよね。ブランドの歴史も長くてそして日本に入ってきたのも古いですよね。

杉本 そうですね。まずフィナモレ自体は1925年からあるブランドなのでもうあと3年で100年経つブランドですね。一口に100年といってもすごいことだと思うので。

 凄いですよね。

杉本 本当に素晴らしいなと思うし、そのうちの約20年はアマンとして我々がエージェントをしているというのがこの20年ですね。本当にシャツ一筋でずっとやってきているのでシャツに関していろんなことをやりましたけれど、やっぱり一貫して彼らのスタンスっていうのは変わってないなっていうのは20年経っても思います。

 そうなんですね。なんか個人的にはやっぱりイタリアのシャツ=フィナモレだったり、ワイドスプレッドのホリゾンタルのシャツが10年くらい前ですかね?
ものすごい流行りましたよね。

杉本 はい、10年前は本当にピークというか絶頂期というかイタリアのクラシック系のブームがあった時期なのでその波にはガッツリ乗ってます。

 ガッツリね(笑

杉本 特にフィナモレに関してはナポリのシャツでいわゆるスポーツシャツ・カジュアルシャツっていうところで、なおかつカッタウェイのセルジオという言い方があったので、まあフィナモレのセルジオみたいなそういうワードが非常に飛び交って本当に良く売れたなっていう時期ですね。

 そうですよね。なので日本にイタリアのシャツ文化を発信したのは僕はフィナモレじゃないかなっていうふうに思うんですけれども、実際フィナモレの良さっていうのは杉本さんが長く付き合っていてどこに感じますか?

杉本 もうトレンドとか時代性とか抜きにして、さっきの話じゃないですけど本当に彼らのスタンスっていうのはほぼ変わらずずっとやってきてて大きく分けて2つあるのかなと思ってます。1つはフィッティングですね。もう1つは素材の選定。ここの2つが大きな彼らの強みかなと思っています。フィッティングに関しては大きな特徴としては非常にボディコンシャスで着た時にすごくフィットして綺麗に見えるんですね。割とぴったり見える。どっちかというと今のトレンドと逆行してるんですけど、体にフィットした形で見えるようなフィッティングになってます。けど肩がけっこう内側にグッと入ってる仕様ではあるんですけどぱっと見た感じは割とぴったりしていて窮屈そうかなって見えたりもするかもしれないですけど、逆に非常に肩の可動域も広いですし非常に着やすいっていうのが特徴ですね。

 なるほど。

杉本 生地に関しては彼らもやっぱりいろんな生地を使ってるんですけどもう120双以上の生地しか使わないと。

 120双は細い糸ということですよね。

杉本 それしか使わないというところで、店頭で実際触っていただかないと分からないことかもしれないんですけど、もう触っていただくと本当にすぐ分かる。その差は歴然っていうところですね。本当に良い生地を使ってます。

 カッティングで言うと僕はイタリアのフィナモレだけじゃないかもしれないですけど、良さの一つってやっぱり丸さだと思うんですよね。手で縫っている職人さんの丸さ。言ったらユニクロさんでもそうだと思うんですけど、日本の製品って良い意味ですごいきっちりしてるじゃないですか。Mっていったらもう肩幅絶対このサイズだし。裏を返すと一個一個ほぼ違いますよね。(笑

杉本 はい(笑

 

(二人とも大笑い)

 

杉本 洗いをかけてるんですよね。いろいろな素材があるので、本来は緻密なのが当たり前なのかもしれないですけど彼らとしてはブラックボックスがあるんで。イタリアってここのブラックボックスを通過することによってどの国にも出せない味わいが出るっていうのがイタリア製かなと思っています。特にナポリ、特にフィナモレはブラックボックスが非常に……本当にブラックボックスな感じがしますけど(笑

 でもなんかそれが味でもありますよね。

杉本 そう思います。

 それって着ないと分からない。

杉本 分からないと思います。

 見ただけでは分からないのが僕はフィナモレの良さの1つじゃないかなと思ってます。確かに見た目で襟型とか、ジャケットを着た時に綺麗にハマるとか、さっき杉本さんも言ってましたけど肩周りの着心地がいいとかもあるんですけど着た時の収まりは見てるだけじゃ分からないですよね。

杉本 分からないです。あと非常に立体的に作られているので畳んだ時にあんまり綺麗に畳めない。これ面白くて、立体なんですよね。日本製品はキレイに畳めるんですけど。

 なるほどなるほど。

杉本 でもフィナモレの製品はちょっと立体的なので。まぁ悪いことじゃないんですけど何か畳み辛いというかどうしても膨らむというか。それが丸さの所以だと思うんですけど。

 そうですよね~確かに確かに。そこが凄くいい部分でもいありますよね。

杉本 と思いますね。

 

フィナモレの春夏について

 この春夏に関して言うとフィナモレのトピックって何かあったりしますか?

杉本 フィナモレの春夏といったらやっぱりリネンなんです。まずリネンなので、リネンのカラーバリエーションを楽しんでいただければと思います。今年の2022年の春夏に関してはコットンでも色のバリエーションが出てるのが今回のトピックスですかね。

 なるほど。やっぱりイタリアの色って結構派手に見えても着たら収まる感じがありますよね。

杉本 そうですね。今はモノトーンとかゴシックになりがちなんですけど、春夏くらいはせめてちょっと色のあるもの着てもらえたらいいなと思います。もちろんちょっと難易度の高い色ってのもけっこうあるんですけど(笑

 ありますよね。

杉本 でも春夏だったらいいかなというところで色に挑戦してみていいかなと思います。

 今のトレンドでも秋冬はニットが圧倒的ですもんね。シャツよりはニットが多いですよね。だけど大人の男性にこの春夏やっぱりリネンシャツに挑戦して欲しいですよね。

杉本 やっぱり……キレイじゃないじゃないですか、リネン特有のシワ感っていうのもあるし、それが色気だったりともにも繋がると思いますし他の素材には出せない素材感や雰囲気だと思うので。日本の場合は特に、海外とかはけっこう秋冬でもリネンを着たりとかしますけど日本に関しては春夏の一番の特徴の生地だと思いますのでぜひトライしていただければと思います。

 

終わりに

 ということで、次回は居酒屋風でイタリアのファッションについて!自分も実際に行って工場で話すこともありますし。

杉本 行かれてますもんね。

 もちろん小売りでセレクトして杉本さんみたいな方のお力を借りて商品を揃えさせてもらうことが多いんですけど行くこともありますし、イタリアの実際どこなの?みたいな話も。ファッションのチャンネルでファッションのことはいろんな方がいろいろお話しされてますけど、ちょっと角度を変えてイタリアってどういう国なの?とかイタリアのモノづくりってどう違うの?みたいなね話も次回できたらいいかなと。

杉本 本当にイタリアもファッションだけじゃなくて食とかそれ以外も。人柄はやっぱり好きなので「嫌だなこいつ」と思いながらもでも好きだなと言えちゃうんでそこが好きな理由かもしれないですね。

 まあ陽気ですしね基本的には。ではまた次回のアマンさんと一緒にできることがあったらダラダラ行くならライブでいきたいなと思いますので、ぜひご期待ください!今日は杉本さんにお話しいただきました。ありがとうございました!

杉本 ありがとうございました。

 

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プロフィール

オクテット バイヤー :林 啓成(はやし ひろなり)
株式会社 林商店
オクテット名古屋
インポートセレクトショップ でらでら
担当バイヤー

20代をビジネスウエアのメーカーで、服の作り方を学び、2003年より、株式会社林商店にて、スーツのバイヤーからスタート。

当時、多くの紳士服路面店であったように、ビジネススーツを中心に販売するお店から、
イタリアを中心としてカジュアルアイテムをセレクトし、大人のセレクトショップへと改造。

イタリアでの直接買い付けからスタートさせ、
現在は、イタリアの工場に直接オーダーをお願いしたり、ピッティウオモを中心に展示会などを通して、日本により良い商品をいち早く紹介するお店に変えました。

現在は、イタリアの文化、
おじさん男性の元気が良いところを、日本に輸入したい!と
いくつになっても、男性もファッションを楽しめる日本に変えたいと奮闘しています。

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以上、オクテットの林でした!

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執筆者

2003年より、株式会社林商店にて、スーツのバイヤーからスタート。 当時、多くの紳士服路面店であったように、ビジネススーツを中心に販売するお店から、イタリアを中心としてカジュアルアイテムをセレクトし、大人のセレクトショップへと変化させました。 イタリアでの直接買い付けからスタートさせ、現在は、イタリアの工場に直接オーダーをお願いしたり、展示会などを通して、日本により良い商品をいち早く紹介するお店に変えました。 現在は、イタリアの文化とも感じる、おじさん男性の元気が良いところも、服だけでなく日本に輸入したい!といくつになっても、男性もファッションを楽しめる日本に変えたいと奮闘しています。

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