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一度は見たことある?オロビアンコのバッグ。バイヤー林の思い出episode~Octet Men’sFashion Channel~

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こんにちは!オクテットメンズファッションチャンネルの林です!僕のチャンネルは自分の気に入ったアイテムやブランド、コーディネートのアドバイスをするチャンネルとなってっております。

オクテット名古屋とか楽天市場にあるインポートセレクトショップでらでらっていうのが人気になったきっかけとなった、僕たちがよく取り扱っていたオロビアンコのお話しをさせていただこうと思っています。すごく思い入れのあった、オロビアンコの取り扱いをやめた理由も含め、しっかりとお話しさせていただきます。なぜお話ししたのかは、最後まで見てもらえたら嬉しいです。

今日もよろしくお願います!

 

 

イタリアのバッグで一世風靡した「オロビアンコ」のバッグについて

オロビアンコっていうブランドの名前を聞いたことのある人は結構多いんじゃないかなと思います。こんなリボンが付いてるバッグっていう印象が多分皆さんもあると思うので、オロビアンコの名前は聞いたことないけどイタリアのトリコロール、グリーンのリボンをよく付けて歩いている人が多かったので「ついてるなぁ」みたいなそんな印象ある人も多かったと思うんですけど、そのオロビアンコのバッグの話を今日はさせていただこうと思っています。

ちなみに残念ながら現在オクテット名古屋ではオロビアンコの取り扱いは一切ないのですが……。なくなっちゃった理由も最後にお話をさせていただこうと思ってます。僕の記憶の中、古き良きじゃないですけれどその時代のお話をさせていただこうと思ってます。

ということでオロビアンコなんですけれど、オロビアンコ自体はジャコモ・ヴァンティー二さんが作ったブランドです。ちなみにオロビアンコっていうのはイタリア語の造語になるんですけど”ORO=金、ビアンコ=白”という意味なので”非常に貴重なもの”っていうような名前で、それはジャコモさんがチベットに行った時にカシミヤに触れて「こんな素晴らしい素材があるんだ!」ということに感銘を受けてイタリアに戻った際に作ったブランドになんです。

オロビアンコのこういうマークがあるんですけどそこの上にあるのは実はヤギ。カシミアの動物が入っているそんなマークだったりします。

 

ブランドがブレイクする瞬間について

こんなオロビアンコなんですけれど僕たちは本当に日本にほぼ入ってない状態、そんなにみんなが知らない状態の時から実はオロビアンコさんの商品を紹介しておりまして、実際はインポーターさんが居てそのインポーターさんと一緒にオロビアンコのバッグを紹介することになるんですけれども「これがブランドがブレイクすることか!」っていうのを本当に痛感したブランドで、最初はそんなに売れてる訳じゃなかったんですけど途中からびっくりするくらい売れて、商品が入って来ます入ってきたらすぐ売れますその後ずっと今度の新作の入荷はいつですか?って問い合わせが来てひたすら答えますみたいな。

でも商品がそんなに入って来ないから入って来たらすぐ無くなるみたいなのを繰り返してる時期があって「ブラントがブレイクするってすげぁな」と思わされたブランドです。

実際に僕達はジャコモさんと結構仲良くさせていただいて写真なども結構あるんです。ちなみに先程から珍しいカモフラのネクタイをしてるんですけど、これジャコモさんに貰ったネクタイで引っ張り出してきまして、見えないですけどオロビアンコって書いてあるんです。

「ヒロ、コレシトキナヨ!」「ありがとうございます!」

って貰って一回もしてなかったんですけど(笑

ちょっとタンスから引っ張ってきて今日付けてお話させていただいてるんですけど、本当にジャコモさんには結構感謝してるんですよ。

最初にイタリアのバッグの良さっていうのもそうなんですけど、イタリアってこういう良さなんだなっていうのをすごく感じさせてもらって、それは何かっていうとジャコモさん自身がデザイナーっていうのもあるんだけど「どういうバッグ作りたいの?」と聞かれて「こういう風に作りたいんです!」と言ったら「分かった!」と白い画用紙みたいなのにラフをその場で描いて色を塗って「ヒロ、こういうモデルでどう?」「良い、これカッコいい!」と返事をして、じゃあこれはこういう色にして作ろうと別注で作っていただいて日本に入れて販売させていただくという事を何回かさせて頂いてたんですよね。

もちろんある日ブレイクする時がきたのでそこから先はそんなこといちいちやってられないから、基本的にはメニューの中で選ばして貰っていたんですけど。こうビューっと人気が伸びる瞬間を体感させてもらったっていうのはすごく嬉しかったです。

 

イタリアでの商売を教えてもらった笑えるエピソード

あともう一個、商売の中で「イタリアってこういうもんなんだな」って感じさせてもらった事が毎回あって、すごく多いパターンの中もう素材だけ何百種類ってある中から色柄を合わせてですね、例えば素材で15型それに15色あったら100を越えるんですけどその中からいちいち選ぶんですよね。

これは人気のアリンナという形なんですけど、メインの素材を選びます…ハンドルを選びます…パイピングのレザーを選びます…ジップ選びます…ジップの裏地を選びます、とこれでバッグを作らせて頂いてたんですけど、ロットがあるのでロット毎に作らせていただいてたんですけど……。

すっげぇ時間がかかるんですよ!びっくりするくらい時間が掛かるんですけど、びっくりする時間かかってオーダーシートもらって「あー楽しみだな」と思って日本に帰ってくるんですけど、そしてしばらく待って4~5ヶ月後に商品が入って来て「やっと来たか!」と思って中を開けると大体違う商品が入ってるんですよね(笑

違うはちょっと言い過ぎかもなんですけれど、自分達がオーダーしたものと全く同じっていうことはあんまりなくて微妙に違うんですよね。お互いに「カッコいいからこれにしようね」と決めたはずなんですが入ってくると違う。もちろん違うから「これ違いますよね」ってジャコモさんに聞くと「あ!ごめんごめんこれ違うんだよね!でも僕はこっちの方がかっこいいと思ったから変えといた!」と言うんですね。そう言われるとなかなか「これオーダーと違うんだけど!」とは言えなくて、まあそうですねと(笑

その頃本当によくオロビアンコのバッグ売れていたんで、別にそれはそれで確かにカッコいいから売れていくんですけれども「これがイタリアなんだ!」ということをすごく勉強させてもらって、いっぱい楽しい思いもさせてもらったブランドですね。

 

自分が大好きなアダメッロについて

更にジャコモさんも独創性のあるバッグを結構作ってくださっていて、僕は一切使ってませんが捨てずにずっと持ってるバッグがあって、これはアダメッロっていうバッグなんですけどこれもウチ用に作ってもらったバッグなんです。パーティションが2個あって間に雑誌とか新聞とかを入れる隙間がある二層式のブリーフケースなんですけど、当時こういうバッグはあまり無く無駄に間があるバッグでこの形面白いなと。

このアダメッロは本当によく売れて僕達も何回かフォローしたんですけど、それ以降は多分なんですけれども制作に非常に手間がかかるということで二度と作ってもらえないモデルになったっていう本当に残念な思い出があって、僕も捨てずにずっと取っておいてます。

創業デザイナーであるジャコモさんと仲が良かったですし、実際にイタリアに行けばブレイクしていく瞬間とかに「ちょっとヒロ!工場買ったんだよ」と、どんな工場が聞いたらカーボンを加工する工場で「ん?バッグですよね?」みたいな(笑

「ここはカーボンが作れる最先端の工場なんだ!」ジャコモさんが何をやったかというと……ちなみにフェラーリとかのモノコックをちょっと作ってる工場だったみたいで、実際にカーボンの形状を変えられるってことでカーボンで作ったスーツケースとかジェラルミンケースとかを作って1つ80~100万で売っていて、実際それでピッティにもテクノモンスターという名前で出たたりもしたんです。

本当に買った瞬間に連れて行ってもらったりして「ヒロ、これ絶対売れるからやってくれよ!」って言われて「これは拳銃も弾くんだよ!!」と言われて「いや日本で拳銃を撃つ人居ないんですけど!」みたいなね(笑

だからそんなジェラルミンケースいらないですよ!って話をしたのを今も覚えています。

 

オロビアンコの取り扱いをやめた理由

それくらい仲が良かったジャコモさんなんですけど、でも僕たちが取り扱いをやめてしまった理由は……これブランドで多分よくあることだと思うんですけど大きくなって売れるようになってきた時に、実はオロビアンコは日本が商圏としては中心だったのでイタリアよりも日本、まぁ日本とアメリカに一生懸命に売ろうとしてたので日本を中心にアジアで売れていたんですけど、日本の商社がオロビアンコを買収するということになってしまって僕はジャコモさんと直接取引してオロビアンコを取り扱うことが出来なくなってしまったので、だったらまあいいかと思ってやめたとそういうストーリーなんですね。

そんな中でもやっぱりこういう良い思い出があるのでこれが今日僕がこの動画を撮らせてもらっている理由なんです。今は2年間イタリアに全く行けてないですし。もちろん情報は集めているんですけれど、以前のようにオロビアンコと全く同じ事を出来るかって言ったら多分出来ないと思うんですよ。色々な偶然だったり運が良かったりとかそういう中で爆発的に伸びる瞬間を体感できたので。

ただ、みんなが知らないブランドでみんなが知らないモノや人達のアイテムを日本に紹介してそして日本の人に喜んでもらう。そういうのはやっぱりどこかでもう一度やってみたいなと思っているので、今度6月にピッティという展示会がありますがそこには残念ながら行かないんですが、2023年は僕もまたイタリアに行くことになると思うのでその時に新しいブランドだったり新しいデザイナーさんに会って、また皆さんにこんなアイテムがあるんだとご紹介できたらいいなと思います。

世間にはブランドがたくさんありますけれども、昔からあるんだけど誰も知らないブランドだったのに今はみんなが知っているブランドに成長したよねっていうことを僕たちももう一度出来たらいいなと思ってます。なのでこれからもオクテットチャンネルを応援していただけたらと思います!

 

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プロフィール

オクテット バイヤー :林 啓成(はやし ひろなり)
株式会社 林商店
オクテット名古屋
インポートセレクトショップ でらでら
担当バイヤー

20代をビジネスウエアのメーカーで、服の作り方を学び、2003年より、株式会社林商店にて、スーツのバイヤーからスタート。

当時、多くの紳士服路面店であったように、ビジネススーツを中心に販売するお店から、
イタリアを中心としてカジュアルアイテムをセレクトし、大人のセレクトショップへと改造。

イタリアでの直接買い付けからスタートさせ、
現在は、イタリアの工場に直接オーダーをお願いしたり、ピッティウオモを中心に展示会などを通して、日本により良い商品をいち早く紹介するお店に変えました。

現在は、イタリアの文化、
おじさん男性の元気が良いところを、日本に輸入したい!と
いくつになっても、男性もファッションを楽しめる日本に変えたいと奮闘しています。

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以上、オクテットの林でした!

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執筆者

2003年より、株式会社林商店にて、スーツのバイヤーからスタート。 当時、多くの紳士服路面店であったように、ビジネススーツを中心に販売するお店から、イタリアを中心としてカジュアルアイテムをセレクトし、大人のセレクトショップへと変化させました。 イタリアでの直接買い付けからスタートさせ、現在は、イタリアの工場に直接オーダーをお願いしたり、展示会などを通して、日本により良い商品をいち早く紹介するお店に変えました。 現在は、イタリアの文化とも感じる、おじさん男性の元気が良いところも、服だけでなく日本に輸入したい!といくつになっても、男性もファッションを楽しめる日本に変えたいと奮闘しています。

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